Day 2-2

Queerocracy ~アートを武器にHIV患者支援!~

9月3日

 

LGBT×HIV

   

訪問団体: Queerocracy

 

●どんな団体?

QueerocracyはNew schoolという大学で出会ったアートを学ぶ学生が中心として発足した団体です。HIV陽性者、不法移民、クィアの人々の人権を守るためにアートを武器としてアドボカシーを中心として活動しています。主な活動内容は以下の三つです。

 

① ロビンフッドタックス法案を通過させるための運動・・・ウォールストリートで取引されている莫大なお金にわずかな税金をかけてエイズの活動など社会貢献活動に使えるようにするという法案を通すためのデモなど。

 

② Prevent& Persecutionの撤廃活動・・・HIV/AIDSを撲滅するための法律を撤廃するための活動。この法律は90年代にアメリカ国内34州で作られたもので、HIV陽性者であることを知りながらキス、セックス、つばをはく行為、噛み付くだけで違法となり逮捕されるという差別的な内容で、現在でも逮捕される人がいる。

 

③Y-legal・・・スペイン語での会話クラス。LGBTだけでなく人種の要素も含めた交流会の開催。

 

●今日ここで行ったこと

団体創立メンバーの2人から紹介動画を見せていただきました。

 

そして、こちらから日本のHIVについての現状のプレゼンを行い、お互いの国のアドボカシーの方法の違いついて、社会の寛容性についてなどのディスカッションを行いました。

 

また、アメリカのポスターやニュース動画を見ながら、過去から現在までの活動記録も紹介していただきました。

 

●ここが画期的でした!

Queerocracyは、社会へのメッセージの伝え方が特徴的でした。プロジェクトベースで動き大衆を巻き込むことでメディアにも大きく取り上げられていました。

 

アートを使い、メッセージをシンプルに伝えやすくしていました。

 

裸で体にメッセージのペイントを塗ったポスターを作るなど、一見ラディカルに訴える一方で、市長選挙では候補者のマニュフェストをHIV陽性者支援の観点から点数化し評価するなど緻密に情報を発信することを同時に行っていた事が印象的でした。

 

(ABCニュースへの掲載)

http://abcnews.go.com/blogs/politics/2012/11/naked-protesters-occupy-john-boehners-house-office/

 

最後に団体スタッフが「アートを利用して世間に伝えることだけがアクティビズムではない。街頭に出て声を上げたり、それが苦手な人が黙ってポストカードを手渡すことだけでもよい。自分の好きな方法でやることが大切。」と言っていました。社会に問題定義をするために、様々な方法を使っている興味深い団体でした。

 

 

裸にメッセージを書いたポスター
裸にメッセージを書いたポスター

●ここに刺激を受けた!

QUEEROCRACYはまだ比較的設立間もない若い団体で、今回説明してくださった職員の方もまだ二十代だったそうです。活動内容も若い感性が目立ち、アートなどを利用した大胆なアピールも多く見受けられました。

 

地道な啓発・アドボカシー活動と同時に、時には大胆なアピール行動をとるというギャップがとても印象に残りました。広告やパブリックな場所での集団行動など大胆な方法で人々の注意をひきつけ、自分たちの主張を訴える手法は日本では珍しいと思いました。

 

HIVはキスだけでは感染しにくいことをアピールするために広場で大勢でキスしだしたり、HIV支援を訴えるために性別問わず裸の上半身にペイントを施したりと、日本では少し過激かなと思うものもありましたが、その手法は参考にできるのかもしれません。

 

私は自分たちの主張を伝える方法としてパレードやデモしか思いつかなかったので、アートの力を借りてより広い層の関心を集めようとする発想に刺激を受けました。

 

 

訪問団体hp:

 

http://queerocracy.org/

 

(記事:なつこ、あたりめ)

 

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